『読ホリデイ』の作業がすべて終了しました。

あとは出来上がるのを待つばかり。


昨日、編集をやってくれた小森氏が話していたのですが、
都筑氏が、少なくとも、あと5年、編集者をやってくれてたら、
日本のミステリ界は大きく変わっただろうという意見には、
おもわず大きくうなずきました。


ポケミス全解説』、そしてこの『読ホリデイ』を作ってみて、
思うのは、都筑氏の「目」の確かさ、
エンタテインメントというものについての考えの深さ、でした。


この『読ホリデイ』のなかで、
「なにを書くかではなく、どう書くか」を考えてほしい、
と都筑氏は繰り返し言っています。
また、現代の推理小説はどうあるべきか、ということも語っていて、
それが、都筑氏ならではの意見で、ちょっと驚きます。
というか、すごい。


都筑氏が早川書房にいた50年代、
出版社に勤める人間は、優秀な人ほど早く会社をやめ、
実作者になっていきました。
たぶんこれは60年代いっぱいまで続いたと思います。


もちろん、都筑氏の作家になってからの功績も大きいのですが、
小森氏の意見は、都筑氏が、出版社をやめるのが、あと5年ずれていたら、
『黄色い部屋はいかに改装されたか?』以上の影響が
ミステリ界にあっただろうということです。


もしかしたら、早川書房は、講談社より大きくなってたかも、
なんて想像をしたりしてしまいましたよ(笑)。


この『読ホリデイ』は小説に関わる人、エンタテイメントに関わる人に
是非読んでもらいたい本です。


発売日は、7月22日。


お楽しみに。

都筑道夫の読ホリデイ 上巻

都筑道夫の読ホリデイ 上巻

都筑道夫の読ホリデイ 下巻

都筑道夫の読ホリデイ 下巻