80年代は終わらない

広告批評」が休刊するらしい。
朝日新聞に書いてあったので、同社のwebを見てみると、
どうやら休刊は創刊30周年にあたる来年の4月号のことらしい。


天野祐吉から島森路子に編集長が交代したあたりだったかどうか忘れてしまったけど、
広告批評」を僕はなんとなく買わなくなっていたから、
橋本治の時評がなくなるのが残念、くらいしか感想はない。


ただ、朝日は「広告批評」と絡めて80年代のことを書いていた。
80年代は「なにもなかった」のかどうかについてを。


最近よくこういうことを聞くけど、
たぶんこれって橋本治の文章がからだと思う。
橋本治は80年代が嫌いで、早く終わることを願っていた、
と書いていた。


でもさ、80年代には70年代のことを、
「なんにもなかった70年代」と言っていたんだけどなあ。
つまり60年代は激動の時代だったけど、
70年代はなんにもなかったよね、と。


久住昌之氏さんが、
このことに対して見事な反論をしていたのを覚えてるけど、
いま、80年代はなにもなかったというのは、これとほとんど同型ではないだろうか。
昭和初期の人が、明治は遠くなりにけり、だとかというのと変わらない。


もし、いま80年代の問題を言うとすれば、
やはり土地バブルによって、
お金と宗教が擡頭した時代だったと言わなくては意味がないだろう。
そしてこれはいまに続いている。いまは基本的には80年代とほとんど変わらない。
土地がITになっただけだ。


90年代も失われた10年とは言うけど、
これは80年代からの続きという意味でもある。
自民党公明党が一緒に政権を担っていることが、
悪い冗談のようにそれを証明していると思うのだが、いいかがだろうか。


追伸・
先日「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を見たら、
まさしくアメリカのゴールドラッシュならぬオイルラッシュの時代を描いたものだった。
成金と宗教家との争いが見物です。