土曜日の子ども

土曜日の子ども

小森収氏の初の連作ミステリ『土曜日の子ども』がまもなく発売になります。
(公式には8月4日発売。もう並んでいる本屋もあるようですが、こういうのは遅めに言うものなのです)


じつは、フリースタイルで小説を出すのは初めてです。
本にはISBNという数字が入っていると思いますが、C×××× というくだりが
本のジャンルを表すもので、今回はC0093、つまり単行本の「日本文学」なのです。


大体C0095がうちは多くて、これは「評論」とか「エッセイ」につくものですが、
ウカツにもISBNを決めるまで自分でも全然気がつかなかったのです。
(先日出した矢吹申彦さんの『東京の100横丁』もC0095でした)


いよいよ総合出版社への道か、とはまったく思いませんでしたが(笑)、
「初の小説」と思うと、気も引き締まりますねww。


ただし、小森氏にとってはこれが「初の小説」ではなく、
2003年に『終の棲家は海に臨んで』というユーモア小説を
お書きになっています(発行=れごりべーれ、発売=フリースタイル)。


じつは、『終の棲家は海に臨んで』は、発売は引き受けたものの、
なんとなく知り合いの本は読みづらくて、無責任なようですが、
ぼくが『終の棲家〜』を読んだのはずっとあと、2008年のことでした。


どうして読んだのかは忘れてしまいましたが、
読み終わってすぐに小森氏に連絡して、
雑誌「フリースタイル」で連作小説をお願いしました。
(これもウカツな話ですね)


これは『終の棲家〜』の「あとがき」にある言葉ですが、


 「自分の内と外にある日本というものを、フィクションの中で描く」


ということは、ユーモア小説とミステリとの違いはあるものの、
今作の『土曜日の子ども』にも十二分にあるとぼくは思っています。
小森氏が「ミステリでしか書けない日本」というものを書いた作品だと思います。

連載終了から単行本化が遅れたのは、
ひとえにぼくの怠惰のせいですが(もっと遅れている本もありますが。。。)、
いまこうして目の前に出来上がってみると、やはり単純に嬉しいものですね。


今回は昔、ぼくが「リテレール」という雑誌をやっていたときに
デザインをお願いしていた櫻井久さんに装丁を頼みましたが(もう20年前です!)、
「物体」としての魅力もなかなかいいのでは、と思っています。


たくさんの人に読んでもらいたい小説です。
是非ご一読をお願い致します。



土曜日の子ども

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はじめて話すけど…―小森収インタビュー集

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終の棲家は海に臨んで

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