『都筑道夫 ポケミス全解説』を校了しました。
2月20日の発売日は、これで守れそうです。
ファンの皆さんには本当に本当に、
お待たせしました。
今回は、最終段階なので、いわゆる校正ではなく、
じっくりと「第三者のように」読んでみたわけですが、
やっぱり面白いですね。
ミステリの黄金時代を過ぎて、
英米の50年代後半のミステリ作家たちが、
トリックではなく、
小説の面白さに比重を置きつつあるという流れを語りつつ、
推理小説(探偵小説)を、ハードボイルドやSFなども含め、
すべてを「大衆小説」としての文脈で語れるのは、
おそらく都筑氏だけだと思う。
日本が戦後、海外ミステリを受容する際(おそらくSFのときにも)、
都筑道夫がその場にいてくれたことは、
とてつもなく大きかったことなんだなと、
この解説集を、いま読むとよくわかります。
逆に言えば、当時はどのくらい理解されていたんだろうかとも思うけど、
現代の他のジャンルにもまさしく当てはまることを言っています。
そういう意味で、この本は、
50年代の都筑氏のミステリ評論集成という歴史的側面を持つにしろ、
大衆文化、ポップカルチャーとはなにかを問いかけているように
個人的には読めました。
ともあれ発売はもうすぐです。
楽しみにしていてください!
- 作者: 都筑道夫,小森収
- 出版社/メーカー: フリースタイル
- 発売日: 2009/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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